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ダビデ像David di Michelangelo

ダビデ像(ダヴィデ像)とは

 ミケランジェロのダビデ像とは、ルネサンス期の巨匠であるミケランジェロ・ブオナローティにより制作された大理石製の彫刻作品で、イタリアのアカデミア美術館に収蔵されています。






 モチーフであるダビデは紀元前1000年~前961年頃に在位した古代イスラエルの王で、旧約聖書のサムエル記や列王記に登場しており、新約聖書においてはイエス・キリストについてダビデの子とも表記されています。

 ダビデは羊飼いから身をおこしやがて全イスラエルの王になった伝説的な人物で、特に3mに近い巨人兵士のゴリアテを投石器で倒した逸話はキリスト教圏から外れる日本でも広く知られています。

 ダビデをモチーフにした作品は世界に数多く残されており、私たちにもっとも馴染みが深いところではトランプカードのスペードの13に描かれているキングのモデルとされています。

 また芸術作品についても数が多く、例えば同じくルネッサンス期ではイタリアのドナテッロはブロンズ製のダビデ像を制作しましたが、そうした中でもミケランジェロのダビデ像は非常に高い評価を受けており最高傑作とも評されています。

 像の特徴としては高さが5.17mでイタリアのカッラーラにある採石場から切り出され大理石で作られており、意外にも前任者がある程度制作を進めた下地を元にミケランジェロが制作を引き継ぎ完成させた経緯があります。

 像は全裸で巨人兵士のゴリアテと戦うシーンを表わしており、左手には投石器が握りしめて肩口に手をあて、また右手は石のような物が握られています。

 ただ像は実際に戦いをしている訳ではなく戦いに入る前の姿を描いており、選択と行為の狭間において当時の市民に責任を問いかけている制作者の意思が込められているとも伝えられています。

 また肉体については現在でも理想的な肉体とされるほど生き生きとした生命力がみなぎる体に描写されており、特に陰茎部分については包茎である事もまた注目を集める一端になっています。

 ダビデはユダヤ人であるため本来は民族慣習として幼い頃に割礼を受けていたはずなのですが、制作当時のルネッサンス期にはこの慣習が美的理想とは相反するとされており、意図的に包皮を残したものと考えられているのです。

 またダビデ像の目については黒目の部分に驚くほどくっきりとハートマークが彫り込まれており、やや怒こった表情と比べると浮いた印象を受けます。 このハートマークについては定説はないのですが、現在のようにラブを表わしたのではなくより高尚な意味合いや宗教的な意味合いを持つものと考えられますが、他方では影を造り瞳が黒く見えるようにする際に最適の形であったとする説もあります。



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