ブリューゲルBruegel
ピーテル・ブリューゲの時代と出身地
名前
ピーテル・ブリューゲル
（Pieter Bruegel de Oude）
時代
1525~1530-1569（ルネサンス）
出身地
ブラバント公国（現在のベルギー）のブレー
ピーテル・ブリューゲルの自画像 1582年、ピーテル・ブリューゲルの死後に発表された
ピーテル・ブリューゲルについて
ピーテル・ブリューゲル（父）は、アルブレヒト・デューラーと並び、北方ルネサンスの担い手として近代絵画の原点を創った、フランドルの画家、版画家です。
ネーデルランドに1525年～1530年の間に生まれたとされていますが、ブリューゲルに関する資料はあまり残っておらず、実際のところはっきりしたことはわかっていません。
また、同名の息子も画家であることから、（父）などとして記述されます。
40点ほどの油絵が、ブリューゲルの作品として残されており、その他にも版画や素描が多く残っていますが、後の研究で他の画家のものであるとわかったものも多く、その真偽がはっきりとしない作品も多くあるということです。 ブリューゲルの初期の作品には、宗教画や風俗画の他、ヒエロニムス・ボスの影響を色濃く受けた、幻想的な銅版画が多かったようです。
しかし晩年になると、農民たちや庶民を多く題材とした絵画を多く描いています。
北方ルネサンスの特徴でもある驚くほど細部にいたる精密な描写が特徴で、農民たちの暮らしや遊びの様子などが、細かな部分まで丹念に描き込まれています。
そのため、ブリューゲルの絵画は、風俗や歴史の資料としての価値も高く、多くの視覚情報が作品から得られると言われています。
農民を題材とした作品の多さから、「農民画家ブリューゲル」と呼ばれたものの、実際には豊かな見識を持った知識人であり、その呼び名は当てはまらないという研究者もいます。
晩年の作品のひとつである、絞首台のある風景（絞首台上のかささぎ）には、平穏な田園風景の中で祝祭の踊りに興じる農民の姿の後ろに、朽ち果てた絞首台と、その絞首台にとまるかささぎが描かれています。
非常に不気味な絵ともとれるし、権威に反する絵ともとれるそうです。
ひとつひとつの細かな描写を眺めながら、ブリューゲルの描く田園風景や農民たちの様子をじっくりと眺めていると、時のたつのも忘れて作品の世界にのめり込みそうになりますが、その中に隠された色々な寓意を読み解く楽しみもあるのが、これらの作品世界の魅力と言えるでしょう。
ピーテル・ブリューゲルを取り巻くの噂の一つとして、この地方では、股の間から景色を覗いて農村風景のスケッチをとる習慣があり、ピーテル・ブリューゲルは、その姿勢の最中に亡くなったという民間伝承が残っています。
自分で書き残した文章の類は一切なく、1604年のカレル・ヴァン・マンデルによる逸話的な内容の多い伝記しか手がかりになるものが無いという彼は、とにかく謎に満ちた芸術家でもあります。
ピーテル・ブリューゲルの作品
Google Art Projectで鑑賞できるピーテル・ブリューゲルの作品一覧。
The Fall of the Rebel Angels (1562)
The Tower of Babel (1563年)
The Harvesters (1565)
The Numbering at Bethlehem (1566)
The Tower of Babel (circa 1565)
Massacre of the Innocents (1565 - 1567)
Peasant Wedding (1566年 - 1569年)
Hunters in the Snow (Winter) (1565年)
Children’s Games (1560年)
Caritas (Charity) (1559)
Christ Driving the Traders from the Temple (After 1569)
The Sermon of Saint John the Baptist (1566年)
The Dutch Proverbs (1559)
The Fair of Saint George's Day (c. 1559)
Sylvan Landscape with Five Bears (1554年)
Spring, 1565 (1565年)
Desidia (Sloth), 1557 (1557年)
Big Fish Eat Little Fish, 1556 (1556年)
The Painter and the Buyer, 1565 (1567年)
Dulle Griet (Mad Meg) (1561年)