名前
ジャクソン・ポロック (Jackson Pollock)
時代
1912年1月28日-1956年8月11日
●抽象表現主義 (ニューヨーク派)
出身地
アメリカ合衆国のワイオミング州コーディ
備考
ジャクソン・ポロックの絵画などの作品の画像は、著作権の保護期間内であるため、公開することができません。ジャクソン・ポロックの著作権の保護期限が終了するのは、2017年5月21日になります。
ジャクソン・ポロックは、第二次世界大戦後にアメリカ、特にニューヨークを中心に広がった、抽象表現主義と呼ばれる芸術様式を代表する画家です。
ポロックの特徴とすべきは、その独特の画法で、従来のイーゼルに立てかけたキャンバスに、絵筆で絵の具をのせるという描き方とは違い、床に敷き詰めた大きなキャンバスに、筆や棒、ナイフ、コテなどを使って絵の具を滴らせるモダンテクニックの「吹流し(ドリッピング)」「ポアリング」という技法を駆使して絵を描いていました。
この特徴的なの描画方法、表現方法は、アクション・ペインティングと称され、ポロックらの抽象表現主義の画家は、キャンバスは創作行為をする場であり、闘技場であるという表現をしていました。
ポロックはアメリカで最も有名な画家の一人ですが、作品の評価額の高さでも話題になりました。
ポロックの代表作のひとつである『No.5, 1948』には、現代美術品における最高額の値がつけられ、その価格は1億4000万ドル(約164億円)であると報じられました。
また、2012年に国立近代美術館で開催された彼の生誕100年回顧展では、保険評価額が2億5000万ドル(当時のレートで約200億円)という『インディアンレッドの地の壁画』が展示されたことでも話題を集めています。
ゴッホやゴーギャンをも越える高価な価格により、センセーショナルな紹介のされ方をするポロックですが、その何かが憑依したような独特な作画風景は、当時多くの人の注目を集め、マスコミからは胡散臭いパフォーマンスだとしてバッシングを受けた時期もありました。
また、彼がアルコール依存症と闘い続けていたことから、「大酒のみの幻覚症状が作品を生み出した」と言われたこともあったのです。
こうした世間の反応に対し、ポロックは「私は、絵の具の流れをコントロールできる。そこに偶然はない。」という言葉を残しています。
実際、一見すると無秩序にも見えるポロックの作品ですが、物理学者のリチャード・テイラーは、彼の吹流し(ドリッピング)の技術は非常に卓越したものであり、誰にでも真似できるようなものではない、と評価しています。
テイラーによると、ポロックはドリッピングによって作画をしたわずか10年ほどの間に、驚くほどその技術に磨きをかけ続けていたそうです。
幼少期から馴染みのあった、ナバホ族の砂絵画家の技法にヒントを得て生まれたポアリングやドリッピングの技法により、次々と代表作を発表したポロックですが、晩年はアメリカを代表する画家としての重圧に苦しみ、わずか44歳の若さで自動車事故によりその生涯を閉じます。
自らの飲酒運転により、ハンドル操作を誤って木に激突するという、非常に衝撃的な最期でした。
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