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エルンストErnst

マックス・エルンストとは

店内イメージ

名前
マックス・エルンスト
(Max Ernst)

時代
1891年4月2日-1976年4月1日
●ダダイスム
超現実主義(シュルレアリスム、シュールレアリズム)

出身地
ドイツのブリュール



マックス・エルンストとは

 シュルレアリスムの騎手、マックス・エルンストは、ドイツ生まれの画家で、彫刻家で、グラフィックアーティストであり、詩人でもあります

1910年にボン大学に入学したエルンストは、哲学や歴史、文学と並んで心理学や精神医学を学び、精神病院で見た患者の絵に触発されて、絵を描き始めたと言われています。


 ピカソやゴッホゴーギャンといったポスト印象派(後期印象派)の画家たちの作品に影響を受け、画家になることを決意。第一次世界大戦に従軍の後、ケルンに戻ったエルンストは、1919年、何人かの中間とともにケルン・ダダを創設します。

 ダダ、もしくはダダイズムは、第一次世界大戦中にヨーロッパやアメリカで起きた芸術運動で、徹底して人間の理性を否定し、意識も否定、意識的に作られた美術品には意味がないと、独自の制作方法により、無意識で意味のない作品を作ることに注力しました。


 そんな中でエルンストは、「フロッタージュ」や「グラッタージュ」といった技法を発明し、独特の作風を確立していきます。

 「フロッタージュ」は、物の上に紙を置いて鉛筆でこすり、模様を浮かび上がらせるというもので、「グラッタージュ」はフロッタージュの応用形で、絵の具をのせたキャンバスを物の上に置いて、絵の具をパレットナイフで削り取って模様を浮かび上がらせるという技法です。


 この技法の原点となるのは、幼い頃にはしかにかかり、高熱に浮かされているときに見た幻覚であると言われています。

 木目が目玉や鳥の頭、鼻などになるといった幻覚を見たエルンストは、1925年に海辺の宿で突然同じ経験をし、紙を木目の上に置いて鉛筆でこすり、それを元に絵画の着想を得るという経緯があったことが、逸話として残されています。


 彼の重要なモチーフである鳥のイメージは、さまざまな彼の作品に登場しますが、特に怪鳥ロプロプがお気に入りで、自分の分身、あるいは守護霊のようなものと語っていました。

 彼は、鳥を自分自身(エゴ)だとしていますが、これはエルンストが子どもの頃に、最愛のオウムが死に、入れ替わリのように数分後に妹が生まれたという出来事に大きな衝撃を受けたためと伝えられています。


 エルンストは1929年、彼の代表作でもあるコラージュ集の『百頭女』という作品を刊行しましたが、この中に鳥キャラクターのロプロプが登場します。

 『セレベスの象』『ふたりの子供がナイチンゲールに脅かされている』などの作品は、日本でも知られ、美術の教科書にも取り上げられていますが、ピカソやダリに比べると、その知名度はあまり高くありません。


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