水彩絵の具とは
透明水彩と不透明水彩
水彩絵の具で使える技法
アルブレヒト・デューラーの水彩
『野うさぎ』[1502]
水彩絵の具とは、水に溶かして使う絵の具のことです。
水彩絵の具には、透明水彩と不透明水彩があります。
透明水彩
にじみたらし込みの作例
不透明水彩
ラディスラウス・ベネシュの作品
また、水彩絵の具に使用する水彩筆には、リスやイタチ、馬などの柔らかい毛質のものが一般的に使われています。
水彩絵の具を扱っていると、透明水彩(ウォーターカラー)や不透明水彩(ガッシュ)という言葉が耳に入ってきたことはないでしょうか。
透明水彩と不透明水彩の原料は、どちらも同じで顔料とアカシア樹脂を練り合わせて作られています。透明水彩と不透明水彩の違いは、顔料とアカシア樹脂の配分の比率の違いによるものです。
顔料
アカシア樹脂
アカシア樹脂の割合が高いものが透明水彩になり、アカシア樹脂の割合が低いものが不透明水彩になります。
透明水彩と不透明水彩は、どちらも水彩絵の具ですが、絵の具の使い方や作品の仕上がりに大きな違いがあります。
透明水彩
にじみたらし込みの作例
不透明水彩
ラディスラウス・ベネシュの作品
透明水彩とは、下地の色や線が透けるのが特徴の絵の具で、一般的に多めの水に溶いて使われます。また、透明水彩では、“にじみたらし込み”の技法がよく使われています。
不透明水彩とは、下地の色や線を覆い隠すのが特徴の絵の具です。透明水彩とは違い、塗り重ねによる試行錯誤を行うことが可能です。また、色がにじみにくく、塗りむらができにくいのも不透明水彩の特徴です。
アルブレヒト・デューラーの『芝草』
透明水彩と不透明水彩による作品 また、学校では、半透明水彩(マット水彩)と呼ばれる透明水彩としても不透明水彩としても利用できる絵の具がよく使われています。
水彩絵の具で使える技法としては、モダンテクニックと呼ばれる以下のような技法があります。
吹流し(ドリッピング)
霧吹き(スパッタリング)
合わせ絵(デカルコマニー)
墨流し(マーブリング)
型押し(スタンピング)
ろう染め(バチック)
にじみたらし込み
次のページ(油絵の具)へ